【軍隊調理法(1937年)】肉うどん(温食給養)のレシピ・作り方【饂飩】

【軍隊調理法(1937年)】肉うどん(温食給養)のレシピ・作り方【饂飩】
【軍隊調理法(1937年)】肉うどん(温食給養)のレシピ・作り方【饂飩】

大日本帝国陸軍が1937年(昭和12年)に編纂・発行した 「軍隊調理法」 のレシピ集の中から、肉饂飩(温食給養)をできる限り忠実に再現して作ってみました。饂飩はうどんのことです。

温食給養と言うことで、冬の時期や寒冷地を想定したカラダが温まるレシピだと思います。現代でも一般的な「肉うどん」というネーミングが、大正や昭和初期のレシピにも登場するなんて、親近感が湧きますよね^^

次の画像は、 国立国会図書館デジタルコレクション からお借りした(パブリックドメイン)、「軍隊調理法」に記載されている肉饂飩(温食給養)のレシピです。

軍隊調理法より、肉饂飩(温食給養)レシピ
軍隊調理法より、肉饂飩(温食給養)レシピ

旧漢字で理解できない部分は、記事最後で解説してますのでご参考ください。この記事では、できるだけ原文の表記のテイストを残しつつ、旧字体の漢字を読みやすく現代語訳して解説しています。また実際に料理している様子や、食べた感想も記してますので最後までごお読みいただければ幸いです。

肉うどんの材料(1人分)

食材分量備考
牛肉40g
玉ねぎ150g
干うどん50g生うどんの場合は80g
食塩少量
にんじん20g
小麦粉10g
ラード8g
砂糖少量

肉うどんの準備

  1. 牛肉は細切りに切り置く
  2. にんじんは小口切り、玉ねぎは縦半分に、さらに小口切りにする
  3. 干うどんは10cmくらいに折って茹で冷水に浸し、水を切っておく
  4. 小麦粉をラードで捏ねてルーを作っておく

肉うどんの調理

  1. 鍋にラードを煮立て牛肉、にんじんを入れて炒める
  2. 水を加えて煮て、柔らかくなりそうな時に玉ねぎを加える
  3. 砂糖、食塩にて味付けする
  4. 煮上がるときうどんを入れ、ルーを煮汁で伸ばして鍋に戻入れて撹拌し、少し煮たら完成

肉うどんの備考

  1. 干うどんの代わりに生うどんを使う場合は80gを用いる、また牛肉の代わりに豚肉を使っても可、その場合はラードは少量でよい
  2. 煮込むことで汁を少なくすることに注意する

肉うどんの実践

「軍隊調理法」 の肉饂飩(温食給養)のレシピにできるだけ忠実に沿って実際に肉うどんを作ってみましたので、その様子をご紹介いたします。

準備

肉うどんの材料、牛肉、にんじん、玉ねぎを用意します。

肉うどんの材料
肉うどんの材料

うどん麺は以前に作った 手打ちうどん の冷凍しておいたものを使いました。13分ほど茹で、流水で洗ってぬめりを取り除き、ザルにあげておきます。 もちろん乾麺でも構いません。

うどんを茹でる
うどんを茹でる

指定の分量の小麦粉とラードを混ぜ合わせ、ルーを作りおきます。

小麦粉とラードでルーを作る
小麦粉とラードでルーを作る

調理

分量外のラードで、牛肉とにんじんを炒めます。

牛肉とにんじんをラードで炒める
牛肉とにんじんをラードで炒める

水を350mlほど加えます(分量の記載なし)。このまま肉うどんのスープになります。煮込んで水分が少なくなるので、少し多めに水を用意しましょう。

水を加える
水を加える

そのまま具材が柔らかくなるまで煮込みます。

具材が柔らかくなるまで煮込む
具材が柔らかくなるまで煮込む

具材が柔らかくなる頃に、玉ねぎを加え少し煮込みます。また、この時に塩と砂糖で味を整えておきます。麺つゆや醤油を入れないので、しっかり味付けしたほうが食べやすいです。

玉ねぎを加える
玉ねぎを加える

うどん麺を加えます。

うどん麺を加える
うどん麺を加える

ルーを煮汁で溶かしながら加えてとろみをつけます。

ルーを加える
ルーを加える

少し煮立てたら、肉うどんの完成です。

肉うどんの完成
肉うどんの完成

肉うどんの感想

軍隊調理法(1937年)の肉うどん(温食給養)
軍隊調理法(1937年)の肉うどん(温食給養)

肉うどんと言う割には、お肉がちょっと少なく物足りません。玉ねぎの量が多いので、どちらかと言えば肉野菜うどんのような感じです。現代版の肉うどんの作り方は次の記事をご覧ください。

カレーのレシピと同様に、小麦粉ラードのルーで汁にとろみをつけるのが特徴です。何故だろうと思い調べてみると、 栃木県護国神社さんの記事 によれば、寒冷地の前線でスープを冷めにくくするためだそうです。麻婆豆腐の片栗粉と同じ原理でしょうか。なるほどと思い合点がいきました。

また、同記事では醤油を加えています。 「軍隊調理法」 の肉饂飩(温食給養)のレシピには醤油は記載されていないのですが、当然加えたくなるのが日本人ではないでしょうか。砂糖と塩だけでは正直物足りません。もっと言うと、昆布や いりこ 、カツオなどの出汁も欲しいところです。とは言え、こういう物足りなさも当時のミリメシを作る楽しさだったりします^^ ちなみに 「軍隊調理法」 では、「肉饂飩(温食給養)」の他に「肉うどん汁」というレシピも掲載されています。そちらでは醤油が30gも使われています。興味ある方はぜひ原文をご覧ください。

旧字体の解説

旧字体意味
グラム
饂飩うどん
食鹽食塩
センチ
油粉捏りルー

【コラム】「Army」と「Military」の違いって?

余談ですが「Army」と「Military」の違いを調べてみました。MilitaryもArmyも軍隊のイメージですが、Armyは主に陸軍を表す時に使われるそうです。Militaryの場合はもっと広い意味での軍隊です。 そういえば、Army Knifeがありますね。陸上のサバイバルに使われるイメージのアーミナイフからも、Armyは陸上のイメージなんですね💡 ちなみに、海軍はNavy、空軍はAir Forceですね。日本の自衛隊の場合は軍隊ではないので、Self-Defense Forcesとなります。

▼ 他にもミリメシ作ってみました!

関連記事

最後までご覧いただきありがとうございます!

▼ 記事に関するご質問やお仕事のご相談は以下よりお願いいたします。
お問い合わせフォーム

自宅で手打ちうどん!
めんつゆ&だし
私が使っているまな板、包丁
私が使っている調理器具
関連記事