トマトなしスパイスで作る!チキンカレー
トマトを使えば旨みが簡単にだせて美味しいカレーを作ることができます。とくに自分でスパイスを選んで作るインド風のカレーなんかでは、トマトが欠かせません。しかし毎回トマトを入れるのも芸がないというか、トマトの風味が強いので飽きるんですよね。
そこで今回はトマトなしでスパイスを使って作るチキンカレーに挑戦してみました!トマトの代わりにうま味を出す秘訣は次のとおりです。
- 玉ねぎを飴色になるまで炒め、こくと甘味を出す
- ヨーグルトなどの乳製品を加えて旨みを出す
- バナナで隠し味、甘味とこくを出す
とくに①と②は手間も時間もかかります。玉ねぎをまっ茶色になるまで炒めたり、鶏肉をマリネにして24時間おきさらに長時間煮込むためです。ですが控えめに言っても「最高に美味しいカレー」が作れましたので、ぜひご参考ください。
トマトなしスパイスで作る!チキンカレーのレシピ・作り方
<材料(2人分)>
食材 | 分量 | 備考 |
---|---|---|
A 鶏手羽元 | 8本 | |
A ヨーグルト | 大さじ4 | |
A 塩 | 少々 | |
A 黒こしょう | 少々 | |
油 | 適量 | 今回はラードを使用 |
玉ねぎ | 2個 | |
B ニンニク | 2片 | みじん |
B 生姜 | 2片 | みじん、紅生姜で代用 |
B カルダモンホール | 4粒 | |
B クミンホール | 大さじ1 | |
B クローブホール | 15粒 | |
ヨーグルト | 適量 | |
C コリアンダーパウダー | 大さじ2 | |
C シナモンパウダー | 大さじ1 | |
C ターメリックパウダー | 大さじ1 | |
D ブイヨン | コンソメなどでも可 | |
D 水 | 適量 | |
バナナ | 1本 | スライス |
E マスターシード | 小さじ2 |
<作り方>
- 前日、鶏の手羽元に塩こしょうを擦り込み、ポリ袋へ移してヨーグルトを加えて冷蔵保存で24時間マリネにする
- 玉ねぎを粗みじんにし、鍋に油を引いて飴色になるまで炒める(玉ねぎを茹でてから炒めると時短になる)
- 別のフライパンに油を引いて、Bを香りが出るまで炒めたら②の鍋へ移す
- ヨーグルト(マリネ液も含む)を加えて3分ほど煮たら、Cのスパイスを加えて混ぜ合わせる
- Dのスープを加えて沸騰させたら、手羽元を鍋へ加え1時間煮込む
- スライスしたバナナを加えさらに2時間、鶏肉がほろほろになるまで煮込む
- フライパンに油を引いてマスターシードをパチパチなるまで炒め、油ごと鍋へ投入する
- そのままカレーを数時間置き、味が馴染んだら完成
<動画>
レシピ動画はYouTubeの キッチンノート channel で公開中です。ぜひこちらの動画もご参考になさってみてください。
トマトなしスパイスで作る!チキンカレーの実践
ここからは実際に作っている様子をご紹介いたします。
前日、肉をヨーグルトでマリネにする
鶏の手羽元に塩こしょう少々を振りよくすり込んでおきます。お肉をポリ袋へ移し、大さじ4ほどのヨーグルトを加えて軽く揉みます。ポリ袋の口を閉じて冷蔵庫で24時間寝かせマリネにします。こうすることで鶏肉が柔らかくなり美味しくなります。
当日、玉ねぎを炒める
調理当日です。時間のかかる玉ねぎ炒めから開始します。 玉ねぎは粗みじんにカットし、油を引いた鍋で軽く炒めます。焦げつき防止のためにも、玉ねぎ全体に油が回るようにすると良いです。その後すぐにカップ2杯ほどの水を加えフタをして水分がなくなるまで茹でます。こうすることで玉ねぎ炒めの調理時間短縮を狙いました。
その後、中の弱火で玉ねぎを飴色になるまでじっくり炒めます。写真の飴色になるまで1時間ほどかかりました。
ホールスパイスの香りを出す
ホールのカルダモン、クローブ、クミンを油を引いたフライパンでじっくり炒め香りを出します。香りが出たら油ごと玉ねぎの鍋へ移します。
さらにニンニク、生姜のみじん切りを加え炒めます。ここでは生姜の代わりに紅生姜を使ってみましたが、まったく問題ありませんでした。
ヨーグルトを加える
昨日仕込んだ鶏肉のマリネから、肉とマリネ液(ヨーグルト)を取り分けます。そして鍋にそのマリネ液と新しいヨーグルトを適量加えます。加えたヨーグルトをよく混ぜ合わせながら3分ほど炒めます。
パウダースパイスを加える
コリアンダー、ターメリック、シナモンのパウダースパイスを鍋へ加えます。ここではコリアンダーはホールを潰してパウダーにしました。コリアンダーを多めにするとカレーらしくなります。またシナモンも多めの方が甘みがあって美味しいです。ターメリックは炒めることで泥臭さが抜けます。
ここでカレーのルーを作る感じで弱火で炒めながらよく混ぜ合わせました。
ブイヨンベースのスープを加える
水を適量加えて、ブイヨンで味付けします。ブイヨンは塩味が強いので入れすぎないように注意してください。ここではチキンスープも加えてみました。余っている出汁があれば水の代わりにそれを使っても美味しく作れるはずです。
鶏肉を加えて煮込む
マリネした鶏肉を加えて1時間煮込みます。その後スライスしたバナナを加え、さらに2時間ほど煮込みます。
鶏肉を加えてから合計で3時間ほど煮込みました。すると鶏肉は骨から自然と剥がれ、ほろほろになってカレーに溶け出します。また手羽元の軟骨部分も骨から剥がれ、カレーのソースに溶け出してより美味しくなります。
スパイスをテンパリングして香り付け
カレーの仕上げとしてブラウンマスタードをテンパリングして香り付けします。ブラウンマスタードを油でじっくり炒めるとパチパチと音が鳴ります。そうしたらカレーの鍋へ油ごと移します。
チキンカレーの完成
準備など含めて合計で5〜6時間かかりました。鶏肉の仕込みも含めれば2日ですね。ようやくチキンカレーの完成です。
ここですぐ食べたいところですが、数時間寝かせた方が味がまとまってより美味しく食べられます。とくに翌日になると一層美味しくなりますのでお楽しみください。今回なすやにんじん、じゃがいもなどの野菜を入れてませんが、チキンカレーは十分に美味しいです。むしろチキンカレーを楽しむためにも余計な野菜は入れない方が良いかもしれません。どうしても野菜が欲しい場合は、写真のように別に炒めた野菜を添えるのがオススメです。
\西洋風ポテトサラダ/
参考になった書籍
今回チキンカレーを作るにあたって、スパイスや味付けの部分でとても参考にさせてもらった本がこちらです。
この本ではカレー作りを7つほどの工程に分けて、その必要性や意味をわかりやすく解説されてます。理系な視点でカレーを捉える感じで面白いと思いました。それぞれの工程で材料を変えれば、無限にオリジナルカレーが作れてしまうのも魅力的です。ぜひチェックしてみてください。
今回使ったカレースパイスまとめ
クミン
カレーの味と言ったらこれではないでしょうか。クミンを入れるだけで一気にカレーの風味になります。炒ると爽やかな香りとほのかな甘みが感じられ、カレー以外の料理にも色々使えそうな可能性を感じます。
カルダモン
カルダモンは爽やかな香りでカレーの脂っこさを和らいでくれます。入れすぎ注意です。ホールは長時間煮ても残ってるので、食べる時にカルダモンの地雷に当たることがあります。それはそれで楽しいんですけどね(笑)
クローブ
カルダモン同様、クローブを入れると爽やかな香りで奥行きが出ます。私は煮込み料理など、好んでよくクローブを入れています。
コリアンダー
コリアンダーもカレーに欠かせないスパイスでしょう。あまり存在感のない香りですが、市販のカレーには結構な量が入ってるんだと思います。カレーを下の方から支えているベースとなるような存在です。ちなみにパクチーの種がコリアンダーです。
コリアンダーはホールよりもパウダーの方が使いやすいかも知れません。
ターメリック
ターメリックはウコンですね。黄色い粉で独特な香りと臭みがあります。服などに付着するとなかなか落ちませんから、扱いには注意してください。ターメリックは炒めることで泥臭さが抜けますので、ターメリックライスにするよりもカレーに入れたほうがおすすめかも知れません。
シナモン
シナモンは甘い香りでお菓子に使われますよね。カレーの場合、結構多めに入れた方が美味しい気がします。独特な八つ橋の香りは、シナモンと似たニッキによるものです。