はじめてのミニトマト栽培【東京ベランダ菜園】
2020年6月にホームセンターでミニトマトの苗を買って、ベランダで育ててみることにした。
ミニトマトは小学生の時に育てた記憶がある。しかし、どうやって育て方は記憶が定かでない。今回は、ミニトマトの栽培を書籍やネット、人の知恵を借りてゼロから学びながら育ててみた。
この記録をつけ始めた当初には予想もしていなかったトラブルに巻き込まれ、なかなか波瀾万丈な菜園ライフを送ることになった。とあるミニトマトの人生の一幕に、ぜひお付き合いいただければと思う。
0日目 定植 (6/20)
この時期、種から育てるには遅すぎるので苗を買って育ててみる。近くのホームセンターでミニトマトの苗を1つ購入(200円)。他のプランターで育てていたバジルと一緒にAmazonで買ったフェルトのプランターに植え替えた。
このフェルトプランターは、程よく水はけしてくれるようで、なんと鉢底石の必要がない。軽くて折りたためるし、見た目も可愛らしい。フチを折り曲げれば、大きさを自由に変えられる。取手がついているので持ち運びがラク。捨てるときも燃えるゴミに出せるなどなど、都内のベランダ菜園ではちょうど良いと思う。
土は持ち運びが大変なのでAmazonの配送に頼ることにした。トマト用の土ではなく、普通の培養土25リットルを購入した。持ち帰る手間を考えるとなかなか安い値段ではないだろうか。
ところでプランターが大きいと25リットルの土でもすぐになくなる。
9日目 ミニトマトとバジル (6/29)
ミニトマトがグングン育っていく。バジルも負けじど背を高くしていく。
大きいプランターに移すと根が張りやすくなるためか成長が速いようだ。
10日目 花が咲く (6/30)
花がはじめて咲いた。苗を植え付けてからまだ10日しかたっていない。
もうなのか?もう実がついちゃうものなのか?
菜園経験がほとんどない私にとって、ミニトマトの成長ぶりには驚きだ。
手入れは大したことはやっていないが、脇芽が出たら摘み取るようにしている。
その方が、養分を主茎にまわせるらしいので。
17日目 実を発見 (7/7)
小さな実らしきものを発見。(逆光で全然みえない😓)
花がしおれてその後に実が成長していく。
他にもいくつか花が咲いているので、これから実がいっぱいなることが待ち遠しい。
29日目 久々に天気が良い (7/19)
不安定な天気が続く中、今日は久々に晴れた。ようやく夏らしい暑さを感じたのか、ミンミンゼミが地中から出てきて鳴き始めた。
さて、トマトの実が成ってからずいぶん日がたつが赤くならない。日照不足が影響しているのだろうか?
32日目 窒素過多? (7/22)
第四花房(かぼう)まで花が咲いた。
第三花房の実付きが悪いように思われる。
調べてみるとどうもこの状態は窒素過多の可能性がある。一番上の穂が緑濃く、内側に丸まっている。
肥料をやり過ぎたのかも。土もトマトの土ではなく培養土だ。その上、追肥したような記憶も、、
成長中の野菜を一緒に植えることで窒素過多を改善してくれるのではと思い、ルッコラを植えてみることにした。すでにバジルを一緒に植えていたのだがどうも成長が遅いので抜き取ることに。
さらに下の葉がしげっているので、下に植えてる苗に火が当たるように第一花房の下の茎を少し切り落とした。
ルッコラは6月26日に種まきしてポリポットで育てていたものを植え付けた。
ルッコラが栄養を吸い取ってトマトプランターの窒素過多のバランスを整えてくれることを期待しよう。ちなみに、ミニトマトはナス科で、バジルはシソ科、ルッコラはアブラナ科だそうな。
39日目 まだ赤くならない (7/29)
最初の開花を確認したのが6月30日。最初の実がまだ赤くならない。不安になってきたのでネットで調べてみた。そこで驚きの事実が判明した。
開花後からの気温を足し算した結果が、ある一定の値を上回らないとトマトは赤くならないのだ。
その条件は、開花後から1日の平均気温を足していって1100℃〜1200℃が必要。
ただし、これは大玉トマトの積算温度のようで、ミニトマトの場合は750度から850度で良いそうだ。以下の文は、大玉トマトで計算してしまったのでご注意を。
平均気温のログは気象庁のサイトに掲載されているので、さっそく開花後からの積算温度を計算してみた。
6月28日から昨日までの平均温度の合計は755℃となった。
>先ほどの1100℃に達していないのだから赤くならないのは当然だったのだ。
では、後どれくらい時間がたったら赤くなるのだろうか?ここで予想をたててみよう。
1100℃ - 755℃ は、345℃となり、それを7月の平均気温の24.4℃で割ればおおよその日数がわかるはず。
計算してみると約14日、今日から2週間たったころに赤くなるようだ(8月11日かぁ、待ち遠しい)。もちろん8月になればもっと気温が上がっていくだろうから、予想より早いかもしれない。少し安心したので、気長に見守っていこう。
42日目 うどんこ病発生! (8/1)
トマトの葉のあちらこちらに白い粉がついている。これはあのウワサのうどんこ病と呼ばれるものではないだろうか。1週間前には粉らしきものをすでに確認していたのだが、ベランダの壁の塗装がついたのかもなどと気楽に構えていた。しかし今日よく観察してみたところ症状は広がっているのでやはりなんらかの病気にかかっているのだろう。
ネットで調べてみるとやはりうどんこ病のようだ。
早速対処法を探ってみると、重曹を500倍から1000倍に薄めた液体を葉っぱに吹きかけると改善される可能性があるらしい。
さっそく作って吹きかけてみたので、これでしばらく様子をみてみよう。
また、第一花房より下の葉っぱは黄色くなりかけているし取り除くことにした。
ところで今日は東京でようやく梅雨明けしたようだ。
菜園を始めたせいか、時の経つのをとても長く感じた7月だった。
43日目 重曹その後 (8/2)
うどん粉病にかかっていたところが黄色くなりしおれてきた。重曹スプレーでも回復しなかった。弱ってるところはカットした。
トマトの下に植えていたルッコラが重曹がかかったせいか、葉が所々白くなっていた。成長が見込めなさそうな葉は摘み取ることにした。
重曹の濃度が高すぎたのだろうか?重曹はアルカリ性なのであまり良くなさそう。以後、気をつけよう。
追記 (2020年8月12日)
また、ルッコラが白くなったのは重曹のせいではなく、トマトの白カビがうつってしまったのかもしれない。スプレーをしたことで滴り落ちた水滴にカビが含まれていて、ルッコラにうつったと考えればこれらの症状に合点がいく。調べるとうどん粉病などのカビが発生した時に、葉水をやるのはNGのようだ。
追記 (2021年8月7日)
実は翌年もルッコラを育てたが、やはりこの時期になるとうどんこ病にかかってしまった。他にもかぼちゃやラディッシュはうどんこ病にかかってしまう。これらの野菜は、日当たりの悪いベランダで育てるのは厳しいようだ。
日陰でもうどんこ病にかからず育っているのはシソ、バジル、コリアンダー、トウガラシ、チマサンチュ、ミツバ、モロヘイヤあたりである。
一方で、ようやくミニトマトの実が黄色く色づき始めた。
赤く熟すまでもうすぐだろう。
夕方、水やりをやった。葉が萎れているのも暑さのせいかもしれないと思った。また、頂点の葉の丸まりがないようなので追肥もした。
茎の曲げ具合が急すぎて良くないのかもしれないと思い、少し緩めてやった。
47日目 ミニトマト、赤くなる! (8/6)
ようやくミニトマトのひとつが赤くなった!どれほど待ちどおしかったことか!気にしていたカラスも今は夏バテ気味かあまり声を聞かなくなった。赤くなるなら今でしょ!
そんなわけでさっそく収穫。うーん、しっかりと甘味があって、さらに酸味も強めでスーパーのミニトマトにはない美味しさだ!今まで食べてきたミニトマトとは明らかに違った味わい!採りたてはいつもこんなに美味しいものなのか!?
48日目 摘芯 (8/7)
第六花房で摘心することにした。
摘芯して成長点を止めることで実の方にに栄養をまわす。プランターの場合、人によっては第四花房くらいで摘芯してしまうようだ。
病気がうつらないようにハサミはライターであぶって消毒してからカットした。
53日目 トマトサビダニ (8/12)
ミニトマトの様子がどうもおかしい。下の方からどんどん枯れていく。
下の方の茎が茶色くなっていたり、毎日葉が何枚かしおれていく。
このまま枯れた葉を摘み取っていたら丸坊主になってしまいそう。
ミニトマトの成長として下葉が枯れていくものなのだと思い込んでいたが、なんだか気になったので調べてみた。
茎や葉が茶色くなる現象をしらべてみると「トマトサビダニ」の被害の症状にピッタシだった。
トマトサビダニは肉眼では確認できないようなので、100均のスマホレンズとiPhone側のカメラのズームを最大にして茶色い部分の茎を撮影してみた。
こちらの記事のように、スマホレンズのクリップを、スマホに接着すると写真撮影にめちゃ便利!
マクロレンズで確認したところ、円で囲ってある物体がじわじわと動いている。トマトサビダニに間違いないだろう。この生き物が茎にいっぱいいると思うとゾッとするが、一刻も早く対処して被害を防がなければいけない。
調べると「コロマイト乳剤」と呼ばれる薬剤を使って対処している人が多いみたいだ。しかし、せっかくの自宅菜園。農薬は使いたくないので、水だけで対処してみる。
茎や葉の裏を念入りに水スプレーしたり、ミニジョウロでサビダニを洗い流してみた。少し大変だが、毎日こまめに継続してやって様子をみようと思う。
今後は、摘み取った葉をコンポストに入れることはやめよう。病気が蔓延してしまうかもしれないから。また、他の野菜に病気がうつる可能性があるので、素手で触らないように注意する。
追記:
菜園歴ベテランの母親に聞いたところ、サビダニによる症状はトマトあるあるなようだ。残念だが、トマトが一度こうなってしまったらダメだそうな。。。トマトは病気になりやすい野菜のようで、土も消毒剤を入れてから育てているとのこと。
トマト屋さんもこういう病気になったら、他のトマトにうつらないように根こそぎ抜いて処分するようだ。もちろん、枯れた葉はコンポストに入れるのはNG。焼却処分が絶対。
こうなったらミニトマトの収穫には期待せず、ほかの野菜に病気がうつらないように隔離するしかなさそう。これ以上被害を広げないためにも。
54日目 葉水効果 (8/13)
トマトサビダニ騒動から一夜明け、ミニトマトの茎や葉を拡大レンズで観察してみるとやはりちらほらサビダニがいる。葉っぱの枯れ具合は着実に進行している。サビダニにとって葉水効果はないのだろうか。
茶色い斑点が進行している葉を摘み取って、拡大レンズで観察してみることにした。
葉の裏側に一枚につき10匹ほど動きのあるサビダニを確認できた。動きのないものも含めると相当いる。サビダニは、葉の表より裏に多くいるようだ。
霧吹きで水を吹きかけて効果を確認すると、動きのあるサビダニがだいぶ減った。減ったとはいえ、まだ生きているものも何匹かいた。再び霧吹きで水を吹きかけて、ようやく動きのあるサビダニを見なくなった。水を吹きかけること、つまり葉水はサビダニ駆除に一定の効果があるようだ。
しかし相当念入りにやっても、生き残りの数匹から繁殖してしまうだろう。サビダニの根絶は難しそうだ。とりあえずこの経験を元に、現在のミニトマトを対処してみる。茶色くなりかけている葉はサビダニが多く潜んでいそうなので躊躇なくカットする。カットした葉は焼却処分。また、手にもサビダニがついている可能性があるので、他の葉を触る前によく手を洗う。
その後、一枚一枚葉の裏側を念入りに霧吹きで水をかけた。大量の葉をカットしてしまったので、若葉に頑張ってもらうしかない。成長育成のため液肥を投入してみることにした。回復はしなくても、これ以上サビダニの被害が広まらないようになんとか食い止めたい。そして今ある実が熟すまでは、ミニトマトになんとか持ちこたえて欲しい。
毎回手動で霧吹きするのは大変なので午後、ホームセンターへ行って蓄圧式のガーデンスプレーを購入した。空気入れのハンドルを上下してポンプ内に空気を押し込めることで、霧吹きができる仕組みとなっている。
葉水作業が格段に楽になった。これなら葉裏の霧吹きも継続できそうだ。
55日目 進行は止まらない (8/14)
今日もサビダニの被害をチェックしてみると何箇所か枯れそうな葉っぱを発見した。
葉水の効果があってか勢いは少し弱まっている気がするが、被害の進行は止まらないといった感じだ。
表側が少しだけ茶色くなっていたので摘み取ってサビダニチェックしてみる。
このくらいなら大丈夫そうな葉に見えるが。
拡大レンズで撮影してみるとご覧のとおり。
一枚の葉に何十匹ものサビダニが確認できた。
ただし、このサビダニはすべて動かないので死んでるようだ。動いているサビダニは一匹も見当たらなかった。
葉水の効果は確かにあるように思える。
今後も朝昼晩と、こまめに葉水を継続していく。
56日目 枯れるが先か、食べるが先か (8/15)
今日のサビダニ被害は次の葉っぱ4枚。そこまで酷くはないが、薄茶色になりかけている時点でサビダニが大量にいるはずだから摘み取ってしまおう。
拡大レンズで確認したところ、やはりサビダニが一枚の葉に100匹ほどいる感じだ。すべて死んではいるが。葉水の効果でサビダニの進行が遅くなっている手応えはある。
しかし油断はできない。卵には葉水は効かないだろうから、連日孵化したサビダニが暴れているに違いない。
ミニトマトをめぐって、私とサビダニとの戦争なのだ。サビダニにやられて枯れるが先か、実がなって食べるが先か!
30個近く実がついているのでそこまではなんとしても耐えてやる!
68日目 全体に広がる (8/27)
その後、洗剤と油を乳化させて水で割ったものを霧吹きして窒息させてやろうと、いろいろな攻撃を仕掛けたがサビダニの勢いは止められられない。こちらも飽きてきて1日3回の水やり攻撃を続けられず、1日1回と疎かになった瞬間、サビダニの勢いが増してきた。すでに最上部の葉までサビダニは達し、葉の色があちこちで茶色くなりはじめている。
9月いっぱいでトマトの栽培を終える予定だったが、そこまで持つかどうか。
69日目 サビダニじゃないかも (8/28)
全体的に葉の茶褐色がみられるようになったのは数日前。
あまりにも急激だ。
ふとこれは、サビダニの仕業ではないのかもと思い、マクロレンズで観察してみることにした。すると、いつも必ずいるはずのサビダニが一匹もいない。死骸も見当たらないのだ。観察した葉は一番上の階層のもので、今までサビダニ被害にも合わず健康な状態だった。
やはりこれは、サビダニの仕業ではないのではないか?
思い当たることは、洗剤攻撃だ。もしかしたら、これがミニトマトに負担をかけてしまったのかもしれない。サビダニを窒息させるために、油と洗剤を乳化させて薄めた液体を吹きかけ、20分ほど放置して水で洗い流した。もしかして葉の気孔まで塞いでしまっていたとしたら、、、
またはカビのように伝染する病気かもしれない。カビだとしたら、葉水は逆効果である。サビダニ攻撃ができなくなる。ここまでくると八方塞がり、手の打ちようがない。
71日目 軍団カメムシ (8/30)
オクラの栽培でも現れたカメムシの軍団が、なんとミニトマトにも現れた。
カメムシは持ち場を離れないし、離れたくない生き物のようだ。だからテープで捕獲するのも比較的ラクだった。しかし孵化した卵の空が見当たらないのが不思議。
78日目 真っ赤な実 (9/6)
8月末からサビダニ対処をあきらめ、葉水もやらなくなった。水やり以外はほったらかしだったミニトマトだが、真っ赤な実がたくさんつき始めた。
ヘタに手入れをしていた時より、調子が良いのではないかと思った。
近頃はだいぶ涼しくなったし。
相変わらず葉っぱの1つ1つが、ところどころ茶色くなっている。しかし、葉っぱ自体が萎れて枯れてしまうといった自体にはなっていない。
87日目 枯れ始め (9/15)
いよいよ葉っぱが枯れ始めた。
サビダニ被害と思われる。2週間ほど前から葉水をやるのをやめたのでサビダニが好き放題やっているのだろう。拡大レンズで観察してみると、生きているサビダニがウジャウジャいた。
89日目 最後の実 (9/17)
ミニトマトの実の成長が遅くなっている。これ以上は収穫を見込めないと判断し、この実を最後にミニトマトを終了することにした。サビダニにやられながら枯れていく姿をみるのも悔しいので。
結局サビダニには勝てなかったが、よくここまで頑張って実をつけてくれたことに感謝。次回はもっと上手に育てよう。
トマトの特徴
項目 | 内容 |
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別名 | 赤茄子、六月柿 |
学名 | Lycopersicon esculentum Mill |
分類 | ナス科トマト属 |
原産地 | 中南米 |
英名 | tomato |
来歴 | 17世紀に渡来したが観賞用だった。食用にされ始めたのは明治時代から。 |
栄養 | リコピンが豊富 |
保存法 | 熟したものは冷蔵保存 |
料理 | サラダ、パスタ、ピザ、カレー |
タネまき | 3月中 |
収穫日数 | 約120日 |
肥料 | 定植後は元肥と20日おきに3回の追肥 |
水やり | 毎日の水やり |
その他 | 病害虫にかかりやすい |